機能性表示最新情報 353号 / グアーガム分解物の新訴求

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J133 サンファイバー睡眠サポートb

「本品に含まれるグアーガム分解物(食物繊

維)には、睡眠後、目覚めたときのすっきり感

をサポートし、起床時の疲労感を軽減する機能

が報告されています。」

グアーガム分解物は、機能性表示の初期の頃か

ら受理されている成分の一つで、これまでは整

腸や血糖値関係を届出表示としていました。食

物繊維の一種ということもあり、難消化性デ

キストリンなどとよく似た訴求内容と言えます。

ところが今回のJ113はこれまでとは方向性の違

う睡眠の質に関するものとなっています。エビ

デンスは1報採用のSR。しかし、この採用文献

には気になる点がいくつかあります。

1点目は、効果指標として採用されているもの

がVASのみである、ということです。多くの場

合、睡眠関係のエビデンスでは、ピッツバーグ

睡眠調査票のような睡眠専門の質問票を使用す

るか、脳波測定によりノンレム睡眠を調べると

いう方法がとられます。VASだけでも問題ない

のか、という疑問がわきますが、それについて

J113では、以下のように説明します。

「睡眠の分野でもVASは主観的評価として学術

的コンセンサスが得られており、不眠治療の有

効性評価においても、他の睡眠評価法と比較し、

VAS評価法の妥当性や感度の良さが示されてい

る 。-(中略)-また、アメリカ睡眠医学会

(American Academy of Sleep Medicine,

AASM)が策定した慢性不眠症のための診療ガイ

ドラインにおいて-(中略)-睡眠の主観的評

価、特に起床後の主観的評価にVASが用いられ

ている。」

そしてもう一つ気になるのが、せっかく睡眠の

指標としてのVASの一般性について説明したに

もかかわらず、結果が芳しくない、という点で

す。

SRで取り上げているVASの項目は5つですが、

群間有意差があったのは「目覚めのすっきり感」

と「起床時の疲労感」の二つのみという結果。

しかも全体的に見ると、介入前後では数値が低

下している項目が多くなっています。この点に

ついて、論文の考察では、新型コロナウイルス

感染拡大による自粛要請の影響と記載されてい

ます。

食物繊維の一種であるグアーガム分解物による

睡眠の質訴求ということで、難消化性デキスト

リンなど他の食物繊維関連の成分と差別化され

ているという点で興味深いですが、エビデンス

としては少々物足りない、という感じがします。

今後の発展に期待というところでしょうか。

それでは、またメールしますね。