機能性表示最新情報 347号 / 男性更年期的な訴求

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J10 Men’s Amino(メンズアミノ)

「本品には、イソアリイン、シクロアリイン、

メチインが含まれます。イソアリイン、シクロ

アリイン、メチインには加齢により感じやすい

体調変化(病的、慢性的なものを除く)を自覚

している健常な中高年男性の、心理面(加齢に

より低下を感じやすい落ち着いた気分、加齢に

より低下を感じやすい意欲的な気分、楽しく穏

やかな気分)を維持するのに役立つ機能が報告

されています。」

「加齢により感じやすい体調変化」や「中高年

男性の、心理面を維持する」といった表現から、

男性更年期に対する訴求を思わせる内容です。

これまで、更年期症状に関する訴求については

高い壁があるという印象でした、実際、女性の

睡眠の質改善(I1143)のような、女性の更年

期症状に寄せているのかなと思わせるような表

現はありましたが、J10ほど踏み込んだ表現で

はありません。

J10ではアウトカムを「加齢によるQOLの低下へ

の影響」として、AMSスコアとSFー36を効果指

標にしています。このAMSスコアは、「Aging

Male Symptoms rating scale(男性更年期障害

質問票)」とするもので、名称からすでに更年

期障害を対象としたものであることが分かりま

す。

ただ、この点についてはやはり何かしらの指摘

があったのか、別紙様式5-3では、この指標

を用いることについての説明が行われています。

その内容を簡単にまとめると次の通りです。

(1)AMSスコアは、男性更年期障害(LOH症候

群)のスクリーニングや診断に用いられること

もあったが、現在では推奨されておらず、「更

年期における男性が医療機関を受診する目安な

どを一定の方法で評価したもの」である

(2)著者に確認して、LOH 症候群や中高年男

性のうつ病等の疾患に罹患した者は含まれてお

らず、健常者であることを確認している。

(3)血中総テストステロン値がは250ng/dL未

満で低下とされているが、被験者の最低値は

304ng/dLであり、正常の範囲内である。

他にも別紙様式5-3では、「心理面を維持す

るのに役立つ」など届出表示の各表現に関する

補足説明などが行われており、受理に至るまで

消費者庁との相応なやり取りがあったのではな

いか、ということが感じられます。

ところで気になるのは、今回は対象が男性更年

期だったことです。同じような説明ロジック、

表現方法が女性更年期の場合でも通用するので

しょうか。更年期症状は、一般的にいえば女性

の方が主流であり、その分厳しく見られる可能

性はあります。いずれにしても今後の展開に要

注目です。

それでは、またメールしますね。